薄茶入蒔絵彫もの文字あらば 順逆覚え扱ふと知れ
お棗、中次などの薄茶入(薄茶器)は真塗や溜塗の無地ばかりではありません。
蒔絵があったり鎌倉彫のような彫物、詩中次(うたなかつぎ)のように中次の蓋から胴にかけて漢詩が書いてあるものや和歌散らし蒔絵のように蓋から胴にかけて文字のあるものなどがあります。
お点前の中でもそれらを扱う際は蓋と胴との合口をよく見定めて蒔絵や彫物がきちんと合うように、または蓋と胴の文字がつながるように気をつけましょう。
つまり 順(正しい向き合わせ) 逆(外した向き)を覚え、正しく扱いましょうという教えです。
また拝見の時に蓋裏をあらためますが、見た時にもし花押(かおう)があれば花押の正面を正して置かなければなりません。これはお点前をする亭主だけの心得ではなく、客になる者もよく表裏などを見定めてから拝見するようにしなければなりません。
茶道具としての美しさを損なわないようにお道具に対しても丁寧に細やかに気を使いましょうという茶人としての心構えでもあります。
2026年4月






