~ 一盌からピースフルネスを ~

日頃思う事

永江ハヤコ・ヴェロニカ

現在コロナウイルス禍の為、ブラジル人の日常生活だけでなく世界中の人々の生活が大きく変わりました。多数の感染症や死亡、失業で多くの家族が失望して大変だと思います。私は、毎日の祈りの中でその人達の苦しみを神にお委ねしています。祈りは神と直接繋がっていてそれだけの力を持っていると信じています。

この悲惨な状況の中で気づいた事は神を求める人が大変増えたことで面白いと思いました。ところで、全ての出来事は創造主であられる神様の現れであり、良い時も喜びの時も含めていると思います。だからこそ神に全てを捧げ、感謝し、神の思し召しが叶えますように念じるのです。その思し召しとは神が私達一人ひとりの中に存在して生きているということを認識してほしいのです。また、神の子として、真の人間に新しく生まれる為に私達を育成しているのです。

お茶の道を始めた時から千利休の道歌がとても好きでそれをお稽古や日々の中でとらえています。

稽古とは一より習ひ十を知り、十よりかへるもとのその一

それは、一から始めて十まで習い、再び一に戻って改めて二、三と進むのである。十をしって一に返れば、以前に分からなかった一が見えてくる。という意味です。

この教えに関連していると思うのが謙虚さであってそれも大切であり、傲慢さは何の価値もありません。と同時にいくら習っても習え切れないと思います。それらのことをお茶のお稽古で感じています。同じ点前であっても、お稽古する度に新しい点、いや、私にとって新しい点であって、前に気付かなかったことが見えてくるのです。特に面白いのは頭で習うのではなく手、身体で習うものであることに気づきました。そういうことだから継続することがいかに大切であるかを分かりました。また一期一会を重視しなければならないのです。そのときが唯一であり、その時の私はこの次の時とはもう同じではないと思うと、時計が止まってほしいと思ったり、時間が速く過ぎたらいいと思ったりもします。何もかもはかないものです。時と場合によって良いものであったり、悲しいものでもあります。

どんなことに出会っても自分の学びとして受け止めればそれらを通して経験、知識と知恵になるので価値あるものであります。私は、事柄の良い点にいつも目を向けるように心がけていますので一日、一日が楽しく恵まれていると思います。

 

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