~ 一盌からピースフルネスを ~

16. 焼く・焼き物

ぶりの照り焼きは焼く前に薄めたタレに漬けておく

 照り焼きといえばぶりが代表的だが、焼いている途中にタレをかけるだけではなかなかタレがしみ込まず、照り焼き特有のつやよくこってりした焼き上がりにならない。これは焼くほどに身が締まってタレがしみ込みにくくなることもあるが、特にぶりは非常に脂分の多い魚なので、火を通すと中の脂分が表面に出てきて、焼いてからタレをかけようとしても脂分に邪魔されてタレがのらないのである。

 そこで焼く前に、酒で少し薄めたタレにしばらく漬けておく。薄めておくのは、表面が硬くなるのを防ぐため。塩分の多いタレに漬け込むと、身が硬く締まってしまう。漬け込む時間は30~40分が適切。これに串を刺して焼くが、タレがしみ込んでいるためどうしても焦げやすいので、火加減をやや落としたほうがよい。そしておおよそ火が通ったところで本タレをかけ、あとは軽く乾かす程度に火を通す。このときにポイントが1つ。タレは、身が冷めるくらいにたっぷりとかけること。タレをかけて熱々のまま火にかけると、タレがたちまち焦げてしまうからである。

 本タレの基本レシピ。材料は、酒と醤油とみりんで、割合は1対2対2.5好みによっては砂糖(グラニュウ糖)を少し加えてもよい。

 なお、照り焼きに使うぶりは、背身より腹身のほうがおいしい。脂分多くて、照り焼きにしてもカスカスしない。

 家庭では、盛りつけてから本タレをかけてもよいだろう。あるいはフライパンで行う手もある。上記と同様に漬け込んでおいたぶりの表面に薄く小麦粉を付け、少量の油を敷いたフライパンで両面を焼く。

 焼き上がりにタレをからませるが、このときにこつがある。タレを加える前に、フライパンににじみ出た脂を捨てるのである。熱湯を少し加えて脂を沸き立たせてからすててもよい。これをせずにタレを加えると、脂分でタレがのらない。

 脂を捨てたところで本タレを加え、火を強めてからませる。照り焼きよりも照り煮のようで、焼いた香ばしさが出ないのが難だが、器具や火力が店のようにはいかない家庭では、こちらのほうが上手にできるかもしれない。

2018年2月

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