~ 一盌からピースフルネスを ~

6. 胡麻(ごま)について

 今回は胡麻についてです。アフリカにルーツを持つ胡麻は古来より栽培されており、エジプトの女王クレオパトラも種子を食べたり、油を体に塗ったりと美容のために使っていたそうです。

 日本において中国から渡来してきた胡麻は奈良時代には畑で栽培されていました。胡麻を圧搾して油を作り、食用以外にも燈油としても利用されていました。

 主な産出国はアフリカ諸国及びインド・中国ですが、こちら南米ではパラグアイでも栽培されています。

 

【効能について】

 薬膳の世界では黒胡麻が生薬として用いられています。

 五行説の「寒性・涼性・平性・温性・熱性」の五性(食べ物の性質)で黒胡麻は平性に、五味(味の特性)「酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(かん味)」では甘味に属します。

 肝や腎の機能を向上させて血や生命力を補う作用があり、足腰の冷えや腰痛、めまい、耳鳴りなど老化または更年期障害の改善の有効な食材の一つです。更に脱毛や白髪といった毛髪の悩みに役立ちます。

 

【食品として】~黒・白・金~

 胡麻は白・黒・金(黄)と種子の色により区別されます。栄養価はほぼ変わらず、いずれも脂質とタンパク質を多く含むのが特徴です。

 黒胡麻には表皮にカルシウム、ポリフェノールがたっぷり含まれます。香りが強くコクもあるので、ごまの香りを生かしたいときは、黒胡麻が適しています。なお、外皮が固いゆえ栄養分が吸収されにくいため、一度炒るか、すり胡麻を用いるのが良いでしょう。

 白胡麻は白い外皮で柔らかく、穏やかな甘さがあります。食材の色を生かしつつ、ごまの風味を加えたいときにおすすめです。また黒胡麻より脂質が多い分胡麻油の原料として使われています。

 金胡麻(もしくは黄胡麻)は外皮が黄色から茶色の間くらいの色をしています。金色のようにも見えることから、金胡麻と呼ばれるようになりました。黒胡麻や白胡麻よりも香りや旨味が強いのが特徴です。風味が良いだけでなく生産数も少ないので、高級品種となっています。

 胡麻の活用法は多岐に渡っており、種子以外にも胡麻油や練り胡麻も挙げられます。香ばしい香りや風味に食欲がそそられる方は多いのではないでしょうか。

 胡麻はお菓子の材料としても重宝されています。薬膳の本場・中国や台湾ではすり黒胡麻のお汁粉が大変親しまれています。

ハルヴァ

 中東一帯に伝わるお菓子にも胡麻は使われていることがあります。ハルヴァというお菓子は穀物と油脂に砂糖を混ぜて作られており、胡麻を混ぜる地域もあります。

 ご存じの通り、日本のお菓子でも胡麻をあしらったものは沢山あります。練り胡麻を餡にしたお餅や、砂糖でかためた素朴なお菓子も一度は口にされたことがあると思います。黒胡麻のアイスクリームも香り豊かで人気のフレーバーの一つです。

 世界中で手に入る胡麻は手軽に取り入れられる優秀な健康食材です。日常生活でも積極的に摂取して健やかな身体づくりに役立てていきましょう。

2023年5月