~ 一盌からピースフルネスを ~

柏餅

 5月5日は端午の節句。「こどもの日」「菖蒲の節句」とも呼ばれるこの日は男の子の健やかな成長を願う行事で、「柏餅」が供物として用いられます。上新粉の餅を二つに折って餡を挟み、蒸した後に柏などの葉で包んだ和菓子です。

 柏は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、「子供が生まれるまで親が生きている」「家系が絶えず代々栄える」といった願いを込めて、柏餅を縁起物として食べる風習が江戸で始まり、参勤交代によって全国に広まったと言われています。

 真っ白い餅はつるんとしていてあっさり味ですが、もちもちで食べごたえがあります。餡の種類は粒餡、こし餡、味噌餡などですが、当初は塩餡が使われていたとか。和菓子屋さんによっては葉の巻き方で中の餡の味の区別をつけているところもあり、つるつるとした葉の表を外側にしているのが小豆餡、ざらざらとした葉の裏を外側にしているのが味噌餡という区別が多いです。

 さてこの柏餅の葉は、縁起のためだけでなく、殺菌作用があり、食べるときに手が汚れるのを防ぐ役目もしています。分厚くしっかりとした葉で食べにくいので、葉は剥いて食べずにおくのが一般的です。

 健康と安全を願いつつ、初夏の訪れを味わえる和菓子です。

2017年5月