~ 一盌からピースフルネスを ~

月見だんご

photolibrary
www.photolibrary.jp

 旧暦8月15日の月は十五夜、9月13日の月は十三夜と言われ、その日に団子、栗、里芋、すすきなどを供えて月を愛でる「お月見」の風習があります。水で練ったもち粉を蒸し小さく丸めた「月見だんご」は、穀物が取れたことに感謝し、また豊作を祈るものです。

 十五夜には15個または12個(一年の満月の数にあわせて。閏年には13個)、十三夜には13個の団子を、積み上げるようにして三方に盛るのが正式のようですが、ご家庭では簡略化して5個ほどの団子をお皿に盛りつけることも。団子は、関東では満月に見立てて丸い形が主流。関西では芋に見立てて里芋型(片方を少し細長くした丸)で、さらに餡をつけることも多いようです。また、“十五”にちなんで団子の直径を一寸五分(約4.5cm)にするなど、十五夜や月をイメージさせる粋な伝統が、この供物にちりばめられています。

 「月見だんご」を月の見える場所か床の間にしばらく供えたら、月を眺めながら美味しくいただきます。白くつややかな団子はもちもちと弾力があり、噛むたびに米の甘みが感じられます。お好みで、餡や黒蜜・きなこと一緒に楽しむのもまた良し。名月をお供に、この素朴な月見だんごをほおばり、秋の夜長を感じる贅沢なひとときです。

2017年9月

Veja também

  • ぼた餅

    ぼた餅

    “暑さ寒さも彼岸まで”という言葉があるように、季節の変わり目を感じるこの頃、「ぼた餅」は春のお彼岸の時期の定番和菓子です。「ぼた餅(牡丹餅)」は、もち米、またはもち米とうるち米を混ぜたものを蒸し、米粒が残る程度に軽くついて丸め、餡をまぶしたものです…
  • 花びら餅

    花びら餅

    時節を感じさせるお菓子は色々ありますが、新年を祝う「花びら餅」は正月にだけ出会える吉祥の和菓子として知られています。「菱葩餅(ひしはなびらもち)」とも呼ばれ、蜜漬けごぼう・白味噌餡・赤く染めた菱餅を、丸く伸した白餅または求肥で半月型に包みます…
  • 栗蒸し羊羹

    栗蒸し羊羹

    実りの秋・食欲の秋には、秋の美味しい食材を生かした季節の和菓子も見逃せません。「栗蒸し羊羹」は、新栗が出回る秋から初冬にかけて店先に並びます…
  • 麩饅頭

    麩饅頭

    夏真っ盛りの頃でもさっぱりと頂ける和菓子は色々ありますが、今回はその中のひとつ「麩饅頭」を紹介いたします。生麩の生地で餡を包んだ饅頭で、笹や山帰来(サルトリイバラ)の葉などで包まれ、夏の和菓子屋さんに並びます…
  • 若鮎

    若鮎

    季節限定の定番和菓子は色々ありますが、初夏になると和菓子屋さんに並ぶ「若鮎」はその中でも人気の高いものの一つかと思います。楕円形に焼いた薄いカステラ生地で求肥や餡子を半月形に包み、焼印で目やひれの印をつけて清流に泳ぐ鮎をかたどったもので、鮎焼き・あゆ・焼鮎などとも呼ばれます…