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茶席での和装小物<男性編>

茶道を習っていると、普段のお稽古やお茶会などで着物を着る機会があります。
ここでは男性が着物を着る際の、衿元や履物など身だしなみや小物使いの基本的なルールをご紹介しましょう。ある程度のマナーを心得ておけば、心配することなく、茶席でのひとときを心から楽しめることでしょう。

まず1つ目は、【時計を外すこと】。これは、大事な茶道具を傷つけないという配慮のためと、時間を忘れて茶席でのひとときに集中するという意味合いがあります。

そして2つ目は、【アクセサリーを外すこと】。指輪などのアクセサリーをつけていると、お茶道具を傷つけてしまう恐れがあるため、茶席では外すのが原則です。
また、香水など匂いの強いものは身につけないようにしましょう。お茶席ではお香、茶、食事など香りを楽しむ場面が沢山あります。そのため、主催者側も匂いが強い茶花を使わないよう配慮しています。

雪駄

3つ目は、【白の足袋、雪駄を履くこと】。茶道では清潔感を大切にするため、普段のお稽古でも茶会でも白い足袋を使います。茶会に招かれた際には、家を出る時に足袋カバーを履くか、交換できる足袋を持参するなど、清潔な足袋で茶室に入る事ができるようにしましょう。
男性の和装の履物には大きく分けて草履、下駄、雪駄の3つがありますが、茶席では、千利休が茶会で必ず履いていたと言われる雪駄を用いるのが決まりです。

最後、4つ目に触れておきたいのは、【衿元について】です。
着物の下に着る襦袢には、半衿という取り外しできる衿が付いています。半衿の色柄を変えることで雰囲気を変得たりおしゃれを楽しんだりできますが、お茶席では男性は無地の半衿を使うのが基本です。一般的に和の正装には男女ともに白い半衿を用いる場合が多いのですが、茶席では少し異なり、男性に限って半衿は白である必要はありません。着物や茶会の雰囲気に合った、落ち着いた色を選ぶと良いでしょう。

2020年8月

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