~ 一盌からピースフルネスを ~

和の文様-桜-

 今回の文様のテーマは「桜」です。

 日本ではすでに桜の季節は終わっていますが、ここブラジルでは今の時期が見頃です。毎年7月~8月にサンパウロ市内のカルモ公園やサン・ホッキ市で桜祭りが開催され、多くの人が桜の美しさを楽しんでいます。

 日本人にとって桜は、春はもちろんのこと、通年を通してその精神性を象徴するような大変重要な花であり、国花としても親しまれています。桜の名所では吉野山があまりに有名で、山全体が世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されています。

 

【八重桜(やえざくら)】

 通常桜の花びらは5枚ですが、それ以上のものは八重桜と言います。一輪の花に10枚以上、また100枚以上の花びらをつける種類もあり、その様子から「牡丹桜」とも呼ばれます。幾重にも花びらが重なり咲き誇る姿がとても華やかな文様となっており、着物や帯では桜文様の中でもより豪華な印象です。

【小桜(こざくら)】

 八重桜の壮麗さとは打って変わり、小さな桜の花や花びらを全体にあしらったシンプルな文様です。着物の小紋によく用いられ、地紋として使われているものも目にします。細やかな愛らしさがあり昔から季節を問わず日本人に好まれる文様と言えるでしょう。

【枝垂れ桜(しだれざくら)】

 ゆるりと垂れ下がる枝に程よく花がついた優雅な文様です。枝が風に揺られ花びらが散っている様子を表したものも多く、桜の美しさや儚さが見て取れます。垂れる枝の長さを生かし、着物に上部から裾まで描かれたものなどは、落ち着いた華やかさがあります。

【花筏文(はないかだもん)】

 花筏とは、桜が散りその花びらがひとかたまりになって水面を流れていく様を例えたものです。満開の桜だけでなく、散った後にもその風情を感じる日本らしい言葉で、それを意匠化した文様です。

2019年8月