上手にはすきと器用と功積むと この三つそろう人ぞ能くしる
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何事も、名人上手になるために必要なる条件が三つあるといわれます。
第一は、好きであること。第二は、器用であること。第三に必要なのは、たゆまぬ研さん、修行です。
好き嫌いは自分勝手なことで、嫌いなことでも、慣れてくると好きになったり、好きなことでも、ふとしたことで嫌いになったりすることもよくあることです。「好きこそ物の上手なれ」の言葉のとおり、人にすすめられたから渋々習うとか、義務的に学ぶとかいうようでは、いつまでたっても上手になれません。
二つ目の「器用」については、それぞれの天性なので変えようのないことと思うでしょうが、これも慣れると、不器用な人は不器用なりに、器用な人にない味が出るものだから、決して失望することはありません。そして三つ目の「功を摘む」が、芸道修行上いちばん大切なことです。
2015年11月