~ 一盌からピースフルネスを ~

3. 小豆(あずき)について

お茶席での楽しみの一つでもある和菓子。その和菓子に欠かせない食材・小豆について取り上げたいと思います。

小豆から作られるあんこは、繊細な上生菓子の材料としても、ようかんやおはぎ・饅頭・たい焼きなど和菓子の要としても、広く親しまれています。

小豆は、古くは縄文遺跡から発見され、古事記では五穀(稲・麦・粟・大豆・小豆)の一つとしても記されています。小豆の赤い色が太陽や血などの生命力を象徴し、魔よけの力を持った食材として用いられていたそうです。

 

【効能について】

東洋薬学の世界では赤小豆(せきしょうず)として水の代謝を助け、解毒剤やむくみ改善の生薬として重宝されている食材です。

五行説に則り食べ物の性質を表すのが「寒性、涼性、平性、温性、熱性」の五性。

小豆は平性に属し、身体を熱しすぎず冷やしすぎず中立的な役割を果たします。

夏には冷やしたようかんや水まんじゅう・冬にはお汁粉と季節によって美味しくいただけるのも平性ならではの楽しみ方かもしれません。

また、小豆の赤い色に含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、同じく含まれているサポニンにはコレステロールや中性脂肪の抑制に効果的で、動脈硬化を防ぐ働きもあると言われています。ビタミンB1も多く含まれているため疲労回復にも良いともいわれています。

食べ物の味を分ける五味「酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(かん味)」のうち、小豆は甘味になり、緊張をほぐしたり、痛みを和らげる働きがあります。
その他の豆類と同じく高たんぱくで食物繊維も多く、ミネラルも豊富なことも挙げておきます。

 

【食品として】

小豆は、先述したとおり和菓子にも、中華圏のお菓子の材料としても今なお重宝されています。

常温はもちろん冷やしても温めてもおいしくいただけるのが小豆の良いところ。

甘く煮詰める以外にも、雑穀米としていただいたりするのも糖質が抑えられ、良い摂り方でしょう。

つぶあんとこしあんの違いですが、皮を残す分粒あんの方がポリフェノールは豊富です。そしてカロリーもやや高めになります。

ただどちらも砂糖を多く使う分糖分の摂りすぎには注意です。

残念ながら昨今の日本では「和菓子離れ」が加速しているようです。

美味しく身体にも良いあんこと和菓子が再び脚光を浴びるよう願います。

2022年8月