~ 一盌からピースフルネスを ~

日本便りー日本の運動会に参加してー

 夏の暑い日差し、蒸し暑さは去り、心地よい風、木々が紅葉を始めるこの季節、日本では運動会シーズンとなっています。
 今年の日本は毎週末雨に見舞われる非常に残念なお天気で、練習してきた演目を全て披露できずに終わった学校、園も多かったでしょう。今回は、日本の運動会の歴史をご紹介します。

 

 日本で最初に運動会が開かれたのは、1874(明治7)年2月、イギリス人の教師(ダグラス)の提案で「海軍兵学寮」(東京・築地)といわれています。初期の運動会の特徴は、数校の生徒が合同で近くの野原、浜辺、神社境内、訓練場所などの広い場所に集まり催されました。
 競技は中距離走、走り高跳び、走り幅跳び、二人三脚など、競わせる競技の後、豚追い競争で締めるという楽しく笑わせるものでした。
 明治期に入り、一貫して頻繁に実施されたのは綱引きで、次が徒競走。ダンスも登場しました。この時、単独で運動会を開く学校も出てきました。
 日中戦争が始まると戦争色が強いものとなり、全員が力を合わせて行う種目が増え、愛国行進曲などのダンス、敵前上陸、爆弾リレーなどが種目に加わります。
 現在の運動会は学年対抗、もしくは紅白に別れ、各種目の合計点を競い合うのが一般的です。各学年、組体操やダンスの発表をし、それは保護者に成長を披露する場となっています。
 息子の保育園では、3歳児クラスは「パラバルーン」と言って、直径5メートルほどの薄い円形の布を集団でもち、音楽に合わせて上下に動かし、布のふんわりとした動きとリズムを乗せる演目を披露しました。親子参加型の競技、先生対保護者の競技もあり、交流を意識したものでもありました。
 歴史的背景から、昔は運動会を通して愛国心を育て、強くあるべきと言った精神を植え付けていたような印象を持ちましたが、現在は至って子供の成長の披露の場、交流の場となっています。

2017年11月 栁舘 麗佳

 

参考文献 :
運動会と日本近代 青弓社
わが国の運動会の歴史 平田宗史

 

【編集部のコメント】
この運動会は、小さなお子様をお持ちの柳舘様としては大変身近な問題として、日本に帰られ感じられたことでしょう。外国でも、日本人学校や日語校、ニッケイ団体などでは、毎年行われています。

2017年11月

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