~ 一盌からピースフルネスを ~

瓶掛と鉄瓶

 瓶掛びんかけは、鉄瓶てつびんをかける火鉢、または風炉を小さくした形のものをいいます。陶製、鉄製、唐銅製などがあります。待合や盆略点前、茶箱点前などで用いられます。瓶掛の下には、小ぶりの敷板を敷いて用います。風炉の場合と同じで、鉄の瓶掛には敷瓦を、他は塗物の敷板を敷きます。

 鉄瓶は、つると注ぎ口のついた鉄製の湯沸かしをいいます。原型は手取り釜で、三つ足の釜に注ぎ口が付けられ、弦がついていました。茶道で用いる鉄瓶は、茶の湯釜と同じく、蓋は唐銅製で、弦は中が空洞になっている袋弦ふくろづるのものが一般的です。使い込まれた鉄瓶には作り手の予想を超える美しさが生まれるともいわれています。

 茶道以外で日常用いられる鉄瓶には、銅蓋の関西造の鉄瓶、南部鉄瓶などがあります。

 

鉄瓶、瓶掛(陶製)、敷板(塗物)

2020年2月

こちらもご覧ください

  • 香

    香、香合(香を入れる器)は、仏教伝来(六世紀中頃)と共に日本に伝来されたといわれており、仏教儀礼の場で使われるようになりました。室町時代には、仏教上の行事であった香を茶道にも取り入れ、書院の床の正面に香炉を飾って香を焚くようになりました…
  • 炭-2

    炭-2

    前回に引き続き、今回は主な道具炭の名称と用途について学びます…
  • 炭-1

    炭というと、一般的には木炭(黒炭、白炭、おが炭、粉炭)と竹炭があげられます。黒炭は、主に燃料として使われます。白炭は、備長炭が有名で、魚を焼くなど料理用に使われます。竹炭は、脱臭効果があります。最近では、野菜や葉、花など植物系のものを炭化して作る“花炭”と呼ばれるものもあります…
  • 水屋道具-3

    水屋道具-3

    水屋にそろえておくと便利な水屋道具 ― 水やお湯に関するもの(下図の番号参照) ㉒搔器(かいげ)は、かいげんともいう。広く浅い杉の曲の合に柄のついた柄杓で、㉚水屋瓶(みずやがめ)から水を汲むのに使います。水屋柄杓ともいいます…
  • 水屋道具-2

    水屋道具-2

    水屋にそろえておくと便利な水屋道具 ― 茶に関するもの茶掃箱(ちゃはきばこ)は、上下二段になった桐の箱で、お茶を茶器に入れるための用具が納められています…