~ 一盌からピースフルネスを ~

蓋置

 蓋置は、釜の蓋をのせる道具で、柄杓を引く時にも用います。初めは台子皆具の内の一つで、唐銅で出来たものでしたが、独立して用いられるようになりました。唐銅から竹、陶磁器、さらに見立応用品なども加わり、多種多用となりました。

 代表的な蓋置として七種しちしゅ蓋置ふたおきがあります。火舎ほや香炉こうろ五徳ごとく一閑人いっかんじん人形にんじょうかに栄螺さざえの七種類の蓋置です。これらは金属・陶磁器ともにあります。

 竹の蓋置は、引切ひききりとも呼ばれ、鋸で引き切ったままの意味です。炉用は節を中程より少し上目に、風炉用は節いっぱいに、どちらも竹の根元が上になるように逆竹に切るのが約束です。

 

七種蓋置と竹の蓋置

2018年12月

こちらもご覧ください

  • 香

    香、香合(香を入れる器)は、仏教伝来(六世紀中頃)と共に日本に伝来されたといわれており、仏教儀礼の場で使われるようになりました。室町時代には、仏教上の行事であった香を茶道にも取り入れ、書院の床の正面に香炉を飾って香を焚くようになりました…
  • 炭-2

    炭-2

    前回に引き続き、今回は主な道具炭の名称と用途について学びます…
  • 炭-1

    炭というと、一般的には木炭(黒炭、白炭、おが炭、粉炭)と竹炭があげられます。黒炭は、主に燃料として使われます。白炭は、備長炭が有名で、魚を焼くなど料理用に使われます。竹炭は、脱臭効果があります。最近では、野菜や葉、花など植物系のものを炭化して作る“花炭”と呼ばれるものもあります…
  • 水屋道具-3

    水屋道具-3

    水屋にそろえておくと便利な水屋道具 ― 水やお湯に関するもの(下図の番号参照) ㉒搔器(かいげ)は、かいげんともいう。広く浅い杉の曲の合に柄のついた柄杓で、㉚水屋瓶(みずやがめ)から水を汲むのに使います。水屋柄杓ともいいます…
  • 水屋道具-2

    水屋道具-2

    水屋にそろえておくと便利な水屋道具 ― 茶に関するもの茶掃箱(ちゃはきばこ)は、上下二段になった桐の箱で、お茶を茶器に入れるための用具が納められています…