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【裏千家インタビュー】 在クリチバ日本国総領事館 池田敏雄総領事

第二回目の在ブラジル著名人へのインタビューは、在クリチバ日本国総領事 池田敏雄様に、Eメールでのインタビューという形式でお話を伺いました。
プロフィール

ブラジル滞在歴:累計で21年。

家族:妻、娘二人。

趣味:読書、音楽、合気道など。

在クリチーバ日本国総領事館 池田敏雄総領事役職とお仕事内容について教えていただけますでしょうか?

- 在クリチバ日本国総領事。
  在クリチバ日本国総領事館はブラジル南部三州を管轄しています。仕事の内容は邦人保護、領事事務、日系企業支援、広報文化、日伯二国間関係増進など。本年は管轄3州の日本ブラジル外交関係樹立120周年に加えて、パラナ州においてはパラナ州日本人入植100周年、兵庫県パラナ州姉妹州県提携45周年にも取り組んでいます。

 

ブラジル文化の魅力について、どういう印象をお持ちですか?

- ブラジル音楽について言えば感傷的で色彩感に溢れているところ。特にボサノバはリオの海岸のイメージそのもの。

 

文化や生活習慣の違いで感じたことはどのようなことでしょうか?

- 日本とブラジルは様々な面で対照的。性格的には日本人は几帳面、ブラジル人はおおらかであると思いますが、法律・規則の制定・運用に関してはブラジルの方が厳格。日本は均質な社会であるため細かく規制しなくとも物事は動くが、ブラジルは多様な社会であるため細かく規制する必要があるのだと思います。

 

ブラジルの中で日本文化はどのように受け止められているとお考えですか?

- 極東に位置する島国である日本には縄文時代から伝承される古来の日本文化を基層として、仏教、儒教、道教、西洋文明などを取り入れて独自の文化が発展しました。日本人移民が日本文化をブラジルに持ち込み日系人が日本文化を継承普及する努力を行っています。各地域の日系社会が開催する日本祭りは大変人気が高いです。日本文化には独自の魅力があるためと思いますが、同時にブラジル人の多様な文化に対する寛容性を示していると思います。

 

外から見つめ返す日本文化の印象はいかがでしょうか?

- 繊細で緻密、完成度が高い。技能を究めることを通じて、人格を高め天と合一することを目指す「道」の思想の影響を感じます。

 

茶道の魅力と自身の関係は?

- アメリカに在勤していた時に用務である茶道の先生のお宅を訪問する機会がありました。茶道の先生から茶室に案内されお茶のお点前を待つことになりました。その時忙しく慌ただしい思いを抱えていたのですが、茶室でくつろぐ内に慌ただしい思いが少しずつ和らぎました。茶室の中の時間の流れが外の時間の流れと異なっていると感じたのです。茶室の中は世間とは別世界であり、これが茶道の魅力ではないかと思いました。

 

座右の銘

継続は力なり

 

 

ありがとうございました。

インタビュー: 2015年6月

 

【編集部より】尚、池田総領事は、在リオデジャネイロ総領事館、在勤中の、2008年に、リオデジャネイロの、ブラジル銀行文化センター(CCBB)で、移民百周年の、『日本展』の立ち上げに、非常に尽力され、この記念の年の最高に文化的な行事と評されたほど、展示会を成功に導かれました。

2015年7月

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